2006年01月09日

福井晴敏『亡国のイージス』の読後感想

『川の深さは』『Twelve Y.O.』の続編となる本作。『亡国のイージス』という書名は作中の登場人物の防衛大生が書いた論文のタイトルから来ています。
《ギリシア神話に登場する、どんな攻撃もはね返す楯。それがイージスの語源だ。しかし現状では、イージス艦を始めとする自衛隊装備は防御する国家を失ってしまっている。亡国の楯だ。それは国民も、我々自身も望むものではない。必要なのは国防の楯であり、守るべき国の形そのものであるはずだ》

今の我々の国に守るに足るだけの価値があるのか。我々はすでに守るべき国を失っている。守るべき国のない楯に意味があるのか。
自分の生まれた国を守るに値する国にしたい、日本を世界の一員として誇りうる国にしたい、という若者の純粋な願いが込められた論文。そこからこの事件は始まりました。

分厚い上下2巻の文庫本、ちょっと長めの小説ですけれど、読み始めたらぐいぐい引き込まれて夢中になって一気に読まされました。
一人一人の登場人物の描写が丁寧で、登場人物に共感できます。

在日米軍基地で発生した未曾有の惨事、イージス艦《いそかぜ》の暴走、先の展開の読めないスケールの大きなストーリー。

めちゃくちゃ面白いです。面白いだけでなくて重みもあります。
安保とか自衛隊とか憲法とか平和とか、日本という国家のあり方とか、そのようなことを考えさせられます。

2000年に、第53回日本推理作家協会賞、第18回日本冒険小説協会大賞、第2回大藪春彦賞をトリプル受賞した作品。

亡国のイージス 上  講談社文庫 ふ 59-2
亡国のイージス 上 講談社文庫 ふ 59-2
福井 晴敏

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タグ:福井晴敏
posted by てつ at 18:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | アクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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